酢はカルシウムの吸収を4倍に増やすと言う。
普通の味付けだと含有カルシウムの30%しか採れないそうだから、サンマやイワシの煮付けに梅干を入れる昔からの調理法にも理由(わけ)が。シラスを酢醤油で食べるのも骨を丈夫にするための先人の知恵なのだろう。

夕べ、ポン酢味のパスタににチャレンジしてみた。TBS「はなまるマーケット」で紹介していた一般主婦の料理のひとつ。名づけて「ポンスパ」。
  
◆ポン酢スパゲティ(ポンスパ)img20050525.gif 
<材料> 3人前
スパゲティ・・・250g
バター・・・ひとかけら
ポン酢・・・大さじ2杯半
しらす干し・・・ふたつまみ
大葉・・・5枚
  *あれば昆布茶少々、たくわん少々。
  (写真ははなまるマーケットから)

普通にゆでたスパゲッティをバターを溶かしたフライパンに入れ、ポン酢をまぶしてよく混ぜてお皿に盛ったら、シラスを散らし、みじん切りに切った大葉とたくわんを乗せて出来上がり。

パスタ定番のニンニク、オリーブオイル、塩、コショウが登場しないごくシンプルな和風味のパスタだが、これが実にうまい。酸味がさわやかで、意外に効いているのがシソの香り、シラスの薄い塩味のうまみ、そしてバターの風味。カミさんの評価も上々だ。

ポン酢といえば我が家で愛用しているのが馬路村の「ポン酢しょうゆ ゆずの村」。数年前、友人からこの村の農協の奮戦記を借りて読んでからずっとこの「ポン酢しょうゆ ゆずの村」のお世話になっている。

面積の96%を山林で占められている高知県馬路村は林業主体の過疎の村で、人口は1200人。ゆずは昔から採れたが、高齢化の中で手入れが行き届かず、形の悪いゆずが増えては捨てられて赤字を増やしていた。
農協の東谷課長(現・代表専務理事)がこのゆずを何かに活用できないか、とジュースやポン酢などいろいろな加工品の試作を提案し、商品化して販売したところ、それが大当たり。
今では、ゆず加工品の売り上げは年間約30億円。農協の年間予算の方が村の予算を上回るようになったという。

このポン酢、味もとびきりいいのだが、村をまるごと「ブランド化」した農協の一課長のマーケティングセンスの良さには驚く。今回は、この販売戦略の話は省くが、ぜひ、商売を考える人は、下の本を読んでほしい。モノを売る極意が書かれている。

  「ごっくん馬路村の村おこし」 大歳昌彦・著
  (日本経済新聞社 1575円。古本ならアマゾンで550円から)